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整骨院開業には「柔道整復師」「施術管理者」両方の資格が必要
整骨院を開業するには、「柔道整復師」の国家資格が必要です。この資格を持たなければ整骨院を開業することはできません。また合わせて必要なのが、療養費（健康保険）の受領委任の取り扱いを管理する「施術管理者」の資格です。以前は「柔道整復師」の資格があれば誰でも施術管理者になることができ、整骨院の開業もできましたが、2018年4月以降は柔道整復師の資格取得後、最大3年の実務経験と、2日間の施術管理者研修の受講が義務付けられました。実務経験の年数は施術管理者の届出をする期間に応じて以下のように異なります。
・2018年４月から2022年３月までに届出する場合：実務経験１年間
・2022年４月から2024年３月までに届出する場合：実務経験２年間
・2024年４月以降に届出する場合：実務経験３年間
整骨院の開業を目指しているのであれば、まず自分がこれら開業の要件を満たしているかどうかを確認しましょう。
整骨院開業までの流れ
①整骨院のコンセプトや事業計画をたてる
数多くある整骨院から選んでもらうためには、どんな人に向けて、どんなメニューで施術し、どのようにどれだけの利益を得ていくのか、具体的な事業計画が必要です。整骨院の療養費は年々減少し、保険申請できる範囲は厳しくなってきています。競合との差別化を図るためにも出店するエリアやターゲットにニーズの高い自費メニューを取り入れるなど、経営者としての視点で世間のトレンドにも注意を払うことも大切です。
②整骨院を開業する場所を決める
コンセプトや事業計画に合わせた土地やテナント選びをします。若者が多い場所、ファミリー世帯が多い場所、高齢者が多いエリア場所など、エリアによってもさまざまに異なるため、事前のリサーチが重要です。また、整骨院を持つには、①土地を探して新築する、②店舗物件を探して借りる、③自宅を改装する、などの選択肢があります。居抜物件を借りて前の借主が使った内装をそのまま使用するか、自分好みにリフォームするかなどでもかかる費用が大きく変わります。
③開業資金を準備する
整骨院を開業する場合、賃料や改装にどれだけかけるかにもよりますが、おおよそ1,000万円前後の資金が必要と言われています。開業資金を集めるにはカードローンや投資者から出資を募るなどの方法もありますが、日本政策金融公庫などから融資を得るのもその１つです。地方自治体などの助成金制度などもあるので活用しながら準備を進めます。
④HPを開設する
インターネットで調べるのが当たり前となっている今、ホームページは整骨院のいわば玄関のような役割を果たします。オリジナルで一から作成するには制作会社に外注する必要がありますが、今はテンプレートから選べば自分で簡単にHPを開設できるサービスもたくさんあります。機能はそれほどなくてもいいという場合には無料や月額1,000円程度のものもあるので、自分にあうサービスを探してみるのも１つの方法です。
⑤「施術所開設届」「受領委任取り扱いの届出」などの手続きをする
整体院やエステサロンと違い、整骨院開業のためには保健所をはじめとした複数への届出が必要です。まず「施術所開設届」は、整骨院開設後10日以内に管轄の保健所に提出します。その後、「受領委任取り扱いの届出」を管轄の地方厚生局へ届け出ます。受領委任取り扱いの届出が受理された日から保険を取り扱えるようになるため、不備のないようにします。また、国家公務員・地方公務員・防衛省関係の保険を取り扱うためには共済番号の取得が必要なため、管轄機関へ申請します。さらに労災保険を取り扱うには、管轄の都道府県労働局長による指定を受ける必要があります。
＜まとめ＞整骨院を開業するために必要なこと
エステサロンや整体院と異なり、整骨院を開業するためには国家資格である「柔道整復師」の資格と、健康保険の取り扱いを管理する「施術管理者」の両方の資格が必要です。また、保健所や管轄の地方厚生局などへ複数の届出も必要になるなど煩雑さが伴います。漏れがないように計画的に開業準備を進めることが大切です。
