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【2026年版】鍼灸院を開業するには?必要な資格・届出・設備をわかりやすく解説
鍼灸院を開業するには、国家資格を取得するだけでなく、施術所の構造設備基準や保健所への届出、院名・広告表現など、さまざまなルールを確認する必要があります。
また、テナントを借りる場合、自宅で開業する場合、訪問専門で開業する場合によって、準備する内容も異なります。
この記事では、2026年時点の制度やルールをもとに、鍼灸院開業に必要な資格・開業スタイル・施術所基準・設備・届出・広告上の注意点をわかりやすくまとめます。
- 鍼灸院開業に必要な国家資格
- 店舗・自宅・訪問専門の違い
- 施術所に必要な構造設備
- 鍼灸院の名称を決めるときの注意点
- 開業時に必要な設備・備品
- 広告やホームページで注意したい表現
鍼灸院開業に必要な資格は?
自分自身が施術者として鍼灸院を開業する場合は、国家資格が必要です。
| 行う施術 | 必要な国家資格 |
|---|---|
| はり施術 | はり師 |
| きゅう施術 | きゅう師 |
一般的には、厚生労働大臣または文部科学大臣が認定する養成施設・大学などで必要な課程を修了し、国家試験に合格して免許を取得します。
「はり師」「きゅう師」はそれぞれ別の国家資格ですが、鍼と灸の両方を施術する場合には両方の資格が必要です。
施術所の経営者になることと、実際にはり・きゅうの施術を行うことは別です。自ら施術する場合には、該当する国家資格が必要になります。
鍼灸院の主な3つの開業スタイル
| 開業スタイル | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| テナント | 店舗として認知されやすい | 家賃・保証金・内装費などが必要 |
| 自宅 | 固定費を抑えやすい | 住宅規約・構造設備基準を確認 |
| 訪問専門 | 店舗費用を抑えやすい | 届出や営業方法を自治体に確認 |
① テナント・賃貸物件で開業する
店舗用テナントや、事業利用が認められている賃貸物件を借りて開業する方法です。
通常の住居専用マンションでは営業が認められていないこともあるため、契約前に貸主・管理会社・不動産会社へ確認しましょう。
また、物件を決める前に、管轄保健所へ図面を持参して事前相談しておくと安心です。
鍼灸院の居抜き物件などであれば、構造設備が利用できる場合があり、内装費を抑えられる可能性があります。
② 自宅で開業する
自宅の一部を鍼灸院として使用する方法です。
家賃負担を抑えやすい一方、施術所として開設する場合は、自宅であっても法令上の構造設備基準を満たす必要があります。
マンションの場合には、管理規約で不特定多数の来訪を伴う営業が禁止されている場合もあります。
- 賃貸契約・管理規約で事業利用が可能か
- 施術室・待合室の面積を確保できるか
- 換気・消毒設備を設置できるか
- 生活スペースと施術スペースを適切に分けられるか
- 管轄保健所の基準を満たせるか
③ 出張・訪問専門で開業する
店舗を構えず、患者の自宅や施設などへ訪問して施術する方法もあります。
施術所を開設せず専ら出張によって業務を行う場合にも、届出が必要となります。
届出方法や必要書類の運用については自治体によって異なる場合があるため、営業地域を管轄する保健所へ確認しましょう。
鍼灸院の構造設備基準
鍼灸院として施術所を開設する場合は、「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律」などに基づく構造設備基準を満たす必要があります。
| 項目 | 基本的な基準 |
|---|---|
| 施術室 | 6.6㎡以上の専用施術室 |
| 待合室 | 3.3㎡以上の待合室 |
| 換気 | 施術室面積の7分の1以上を外気に開放できること、または適切な換気装置を設置 |
| 消毒設備 | 施術に使用する器具や手指等を消毒する設備を設置 |
| 衛生管理 | 採光・照明・換気を十分にし、清潔な状態を保つ |
自治体によって具体的な確認方法や追加事項が異なる場合があります。物件の契約や工事を始める前に、管轄保健所へ図面を持参して事前相談することをおすすめします。
鍼灸院を開設したら保健所への届出が必要
鍼灸の施術所を開設した場合は、所在地を管轄する保健所などへ開設届を提出する必要があります。
自治体によって必要書類は異なりますが、一般的には次のような書類の提出・提示を求められることがあります。
- 施術所開設届
- 施術所の平面図
- 周辺案内図
- はり師・きゅう師等の免許証
- 本人確認書類
- 施術者に関する書類
開設届の提出期限は法令上定められているため、必ず管轄自治体の最新案内を確認しましょう。
鍼灸院の名前を決めるときの注意点【2026年版】
鍼灸院は、一般的な店舗とは異なり、名称にも注意が必要です。
2025年2月に厚生労働省が策定した「あはき・柔整広告ガイドライン」では、国家資格保有者による施術所であることが利用者に分かりやすく、医療機関や別の業態と誤認させない名称とする考え方が示されています。
比較的わかりやすい名称例
- 〇〇鍼灸院
- 〇〇はり灸院
- 〇〇針灸治療院
- 〇〇接骨院・鍼灸院 ※必要な資格・届出がある場合
避けるべき名称・表現例
| 表現 | 主な理由 |
|---|---|
| 〇〇クリニック | 医療機関と誤認させる可能性がある |
| 〇〇医院 | 病院・診療所との混同につながる |
| 鍼灸整体院 | 国家資格による施術と別業態を混同させる可能性がある |
| 美容鍼専門〇〇 | 名称・広告方法によって施術内容や効能を強調する表現となる可能性がある |
| 〇〇科 | 医療機関の診療科と誤認させる可能性がある |
実際の名称が使用可能かどうかは、開設前に管轄自治体へ確認しておくと安心です。
2026年は広告表現にも注意
2025年2月に「あはき・柔整広告ガイドライン」が策定され、鍼灸院の広告についても考え方が具体化されています。
広告として該当する媒体では、法律で認められた事項以外について自由に宣伝できるわけではありません。
広告で特に注意したい表現
- 「絶対に治る」
- 「必ず改善」
- 「地域No.1」など根拠のない比較優良表現
- 医師・医療機関と誤認させる表現
- 施術効果を保証する表現
- 国家資格とは関係のない業態と誤認させる表現
また、国家資格を表記する場合は、例えば「はり師・きゅう師 国家資格保有」のように、保有資格を明確にする表現が示されています。
ホームページについては、厚生労働省のガイドライン上、一般的なウェブサイトは原則として広告に該当しないとされていますが、バナー広告やSNS投稿などは内容によって広告に該当する可能性があります。
ホームページであっても、虚偽・誇大・比較優良表現などは避け、正確な情報発信を心がけましょう。
鍼灸院開業に必要な主な設備・備品
次に、鍼灸院の開業時に準備したい設備を整理します。
施術内容によって必要なものは異なるため、以下を基本チェックリストとして活用してください。
施術室に必要な基本設備
| 分類 | 主な設備・備品 |
|---|---|
| 施術設備 | 施術ベッド、椅子、ワゴン、脱衣かごなど |
| 衛生用品 | 消毒薬、カット綿、手指消毒用品、使い捨てシーツなど |
| リネン類 | フェイスタオル、大判タオル、枕カバー、ベッドシーツ |
| 廃棄用品 | 使用済み鍼等を適切に処理するための容器など |
| 患者用備品 | 患者着、スリッパなど |
鍼施術に使用する主な器具
- ディスポーザブル鍼
- てい鍼
- ローラー鍼
- 小児鍼
- ピンセット
- 鍼皿
- パルス・低周波機器など
現在はディスポーザブル鍼など使い捨て器具の活用が一般的です。使用する器具に応じて、適切な消毒・滅菌・廃棄方法を整えておきましょう。
灸施術に使用する主な器具
- もぐさ
- 台座付き灸
- 紙筒灸
- 灸用線香
- 灸点紙
- 灸点ペン
- ライター等
煙や臭いが発生する施術を行う場合は、換気設備や近隣への配慮も重要です。
施術補助器具
- 電子温灸器
- 遠赤外線機器
- 低周波機器
すべての機器が必要なわけではありません。自分が提供する施術内容に合わせて選びましょう。
健康状態を確認する備品
- 体温計
- 血圧計
- 経穴図
- 人体模型
受付・顧客管理に必要な設備
| 設備 | 用途 |
|---|---|
| パソコン・タブレット | 予約・会計・カルテ管理 |
| カルテ | 患者情報・施術履歴の管理 |
| 予約システム | 予約受付・変更・キャンセル管理 |
| POSレジ | 会計・売上管理 |
| キャッシュレス決済 | クレジットカード・QRコード・タッチ決済など |
| プリンター | 各種書類・領収書などの印刷 |
開業当初からすべて高額なシステムを導入する必要はありません。
患者数やスタッフ数、予約件数が増えた際にも管理しやすい仕組みを選ぶとよいでしょう。
院内環境を快適にする設備
- エアコン
- 空気清浄機
- 換気設備
- 照明
- BGM設備
- 荷物置き
- ハンガー
患者がリラックスして施術を受けられる環境づくりも大切です。
ただし、設備を増やしすぎると開業費が膨らむため、「法律上必要な設備」「施術に必要な設備」「あると便利な設備」に分けて優先順位をつけましょう。
あると便利なおもてなし設備
- ウォーターサーバー・飲料水
- お茶などのドリンク
- おしぼり
- 荷物入れ
- 鏡
- 身だしなみを整えるスペース
これらは鍼灸院開設に必須の設備ではありません。
ターゲットとなる患者層や院のコンセプト、予算に応じて検討しましょう。
鍼灸院開業前のチェックリスト
| チェック項目 | 確認 |
|---|---|
| はり師・きゅう師免許 | □ |
| 開業スタイルを決定 | □ |
| 物件・自宅の営業可否確認 | □ |
| 保健所へ事前相談 | □ |
| 施術室6.6㎡以上を確保 | □ |
| 待合室3.3㎡以上を確保 | □ |
| 換気設備を確認 | □ |
| 消毒設備を準備 | □ |
| 院名を自治体へ確認 | □ |
| 施術器具・備品を準備 | □ |
| カルテ・予約・会計環境を整備 | □ |
| 開設届等を提出 | □ |
| 広告表現を確認 | □ |
開業費を抑えるポイント
鍼灸院の開業では、すべてを新品で揃える必要はありません。
- 居抜き物件を検討する
- 中古の施術ベッド・什器を検討する
- 必要性の低い設備は開業後に購入する
- リース・レンタルを比較する
- ITシステムは必要な機能から導入する
ただし、衛生面や安全性に関係する器具は価格だけで選ばず、品質や管理方法を重視しましょう。
まとめ|2026年の鍼灸院開業は資格・設備・広告ルールまで確認しよう
鍼灸院の開業では、施術ベッドや鍼などの器具を準備するだけではありません。
開業前には、
- 国家資格
- 物件・営業形態
- 施術所の構造設備基準
- 保健所への届出
- 院名
- 広告表現
- 衛生管理
- 予約・会計・カルテ管理
まで含めて準備する必要があります。
特に2025年2月には「あはき・柔整広告ガイドライン」が策定されており、2026年に鍼灸院を開業する場合は、院名や広告・SNS・ホームページでの表現にも注意が必要です。
また、施術所の構造設備や届出方法については自治体によって運用が異なる場合があります。
物件を契約したり内装工事を始めたりする前に、必ず開業予定地を管轄する保健所へ相談し、最新の基準を確認してから準備を進めましょう。
