目次
整体院開業までの流れ

①自分の整体院のコンセプトを決める
コンセプトとは「誰に向けた、どのような整体院にしたいのか」という、いわば整体院の方向性。たとえば、スポーツをしている人の体をメンテナンスしたいのか、あるいは地域の主婦や働く人の日々の疲れを癒す施術がしたいのかでは必要な施術や店舗の雰囲気も異なります。自分の持つ整体師としての技術や資格、それに応じたメインとなりうる客層、店内の雰囲気やイメージなど、まずは箇条書きにしたり、イメージに近い写真などを集めてみましょう。少しずつ目指すべきコンセプトが具体的に見えてくるはずです。
②整体院を開業する場所を決める
コンセプトが決まったら、どこで整体院を開業するのか場所を決めます。自宅の一部を改装するのか、新たにマンションやアパートを借りるのか、あるいは商業施設のテナントを借りたり、時間や月極で施術スペースを借りられるレンタルサロンという方法もあります。開業する場所によって費用も大きく変わるので、資金や経営計画も含めて検討することが大切です。また、住宅専用の物件で勝手に開業すると貸主や他の入居者とトラブルになる可能性があります。あらかじめ許可を得るか、商用利用が可能となっている物件を選ぶなど注意が必要です。

③開業資金を準備する
自分が希望する場所で開業するにはどれぐらいの費用がかかるのか、具体的な金額を算出します。他の整体院に勤務しながら独立に向けて資金を貯めるか、あるいは日本政策金融公庫などで融資を受けるかなどの方法があります。補助金などを利用できる場合もあるので、インターネットで情報収集したり補助金に詳しい会計士などに相談するのも良いでしょう。
④HPやSNSなどを活用して集客の準備をする
開業する場所や資金の準備が整ったら、広告宣伝活動を始めます。ホームページを開設したり、WEBメディアに広告を掲載したり、SNSなどで積極的に情報発信することで集客につなげていきます。

⑤開業届けを提出する
開業する日時が決まったら、地域の税務署へ「開業届」を提出します。屋号も必要となるので予め決めておくようにしましょう。整体院の開業には保健所への届出は不要です。

整体院開業にかかる費用
開業しやすいと言われる整体院ですが、条件によっては費用もそれなりにかかります。初期費用として最も大きな額となるのは、やはり賃料など場所にかかる費用でしょう。自宅で開業するのか、賃貸にするのかによっても大きく変わります。たとえば、自宅兼店舗として整体院を開業した場合の開業資金の目安としては、物件改装費に50万円程度、施術をするためのベッドなど設備・備品一式で10万円程度、ネットやチラシへの掲載など広告宣伝費用が30万円程度、軌道に乗るまでの自身の当面の生活費用を含めて運転資金が60万円程度。もちろん、一概にいくらとはいえず、状況により大きく異なります。

整体院開業に必要な資格
実は、「整体師」に国家資格はなく、整体院開業に必ず必要な資格もありません。その点、誰でも開業しやすいという利点はありますが、だからこそ競合が多く、他院との差別化がとても重要となります。整体に関わる民間の認定資格はさまざまにあります。自分の整体院の特徴を打ち出すためにも、また顧客の信頼を得るためにも、技能があることを証明する民間資格を持っていたほうが得策といえそうです。

<まとめ>整体院開業に必要なこと
整体院の開業にも、他の業種での開業にも、それほど大きく変わった点はありません。誰に向けてどんな店を開業するのかコンセプトをしっかり打ち出すこと、開業する場所と方法を適切に決めること、資金をしっかり準備することがまずは重要です。そして開業の可否には関わらないものの、「選ばれる」整体院になるために可能な限り資格を得るなど、他院との差別化を図ることは、誰でも開業できる間口の広い業種だからこそ大切だと言えそうです。
