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シェアサロンとは?
シェアサロンとは、美容室であればシャンプー台や鏡、パーマ機器、エステサロンであればベッドやチェアなど、施術に必要な設備とスペースを、フリーランスの美容師やエステティシャンなどが使用料を支払うことで借りられる共有サロンのことをいいます。シェアオフィスのように、利用者が共有できるものは共有しながら、必要なモノを必要な時間だけ使うことで余分なコストを抑えるという考え方です。時間単位から月極め単位で借りることもでき、中には専用の個室を持てるシェアサロンもあります。多くは駅近など立地条件もよく、自分で店を持つより少ないリスクで独立をスタートすることができます。

店に客がつく時代から、個人につく時代へ
スマートフォンの普及に伴って、個人の美容師やアイリスト、エステティシャンなどでもInstagramなどのSNSを活用して集客をおこなうことができるようになりました。サロンの知名度やブランド力に頼らずとも、スタイリストなどの個人に顧客がつきやすくなったともいえます。そういった人にとっては、店舗を持っていなくても自分の腕一本で手軽に独立開業できるシェアサロンは理想的な形といえるかもしれません。
シェアサロンのメリット
①開業費用を抑えられ、低リスクで独立できる
シェアサロンを利用する最大のメリットは、独立でのリスクが低いことです。自分の店を持とうとすると、賃料の保証金や内装工事なども含め1000万円〜1500万円ほどの開業資金が必要と言われます。その点、シェアサロンであれば改装の必要もなく、鏡や椅子、シャンプー台やパーマ機器などサロン運営に必要な設備は揃えられており、多くの場合タオルなどの備品も完備されています。つまり、美容師であればハサミなど自前の道具を持参するだけで、自分の店としてサロンを利用することができるのです。毎月の固定費として家賃を負担することもなく、利用料金だけですぐに営業を開始できます。また、初期費用は1万円から数万円程度のシェアサロンが多く、自分で店を持つ事に比べたら圧倒的に安く抑えることができます。多額の費用をかけずに独立できるという点が、シェアサロンが人気を集める最大の理由といえるでしょう。

②駅近など好立地の場所が多い
シェアサロンの多くは、駅から歩いて5分以内など好立地の場所にあります。個人経営で駅近やメインストリート沿いの物件を探し、借りることは時間も労力もコストもとてもかかります。シェアサロンを利用することで物件探しの手間を省き、集客のしやすい好立地で営業することができるようになります。
③場所や時間にとらわれず自分のペースで働ける
店舗を持っている場合、毎日そこに通勤するのが基本ですが、シェアサロンはお客様から予約が入ったら出勤するというのが基本スタイル。毎日のスケジュールは自分次第で管理することができるので、比較的マイペースに働けるというメリットがあります。「しっかり働いてどんどん稼いでいきたい」「プライベートも充実させながら適度に働きたい」「月に数回、まずは独立のトライアルをしてみたい」など、目的や理想の働き方は人によっても状況によっても様々です。その点、シェアサロンであれば自分のライフステージにあわせて働き方を選べ、状況に応じて柔軟に変えることも可能です。また、シェアサロンは全国、様々な場所にあります。複数のシェアサロンに登録しておけば、自分の好きな場所で自由に働くこともできます。

シェアサロンで開業した場合の実際の収入は?
シェアサロンによって料金体系は異なりますが、一般的なシェアサロンの利用料金は、「月額固定利用料(月極制)」「売上に対する歩合料」「利用時間に応じた時間料」のいずれか、あるいはそれらを組み合わせているケースが多いです。 たとえば、都内最大級のシェアサロンでは、週に5〜6日以上使いたいしっかり稼ぎたい人向けのプランでは月額5万+売上25%、1週間のうち半分ぐらいの稼働でプライベートと両立したい人には3万+売上30%、気軽に始めたい人には2万+売上20%という設定にしています。その他、平日だけ使いたい人用のプランや、月に2〜3回使いたい人、あるいは自分専用の個室を使いたい人向けのプランなどもありました。
では実際にシェアサロンで開業した場合の収入はいくらになるのでしょうか。たとえば上記の「しっかり稼ぎたい人向けのプラン」で考えた場合、月の売上が40万円であれば月額5万円+売上25%(10万円)を除いた、25万円が手元に残る金額ということになります。ちなみに、薬剤などの費用は含まれていないため、経費として別途かかることになります。シェアサロンによっては契約しているディーラーを紹介してくれたり、独自のネットワークで割安で購入できる仕組みを用意している場合もあるので相談してみると良いでしょう。
シェアサロンの選び方
シェアサロンと一口に言っても、場所などの立地条件はもちろん、雰囲気も設備もサロンによってさまざまに違います。美容師むけのサロンなのか、ネイリストやアイリストむけなのか、あるいはリラクゼーションやエステむきのサロンなのか、あらかじめ設備の内容を十分確認し、自分の仕事にあっているかどうか確認することが大切です。また、最近では個室や半個室のセット面、フルフラットのシャンプーなどの最新設備、あるいはオシャレなインテリアなどを売りにしたシェアサロンも増えています。また、シェアサロンを利用することのほかにも、最新の業界情報の提供や確定申告のサポートなど個人事業主に役立つノウハウの提供をしてくれるシェアサロンもあります。事前にサロンの見学に行き、自分の営業スタイルにあったシェアサロンを選ぶようにしましょう。

自分にあったシェアサロンが見つかったら申込をしよう
スポットで利用する場合も月極で利用する場合も、たいていのシェアサロンでは事前登録が必要です。美容師であれば美容師免許証をはじめ、核や伝染性の皮膚炎ではないことを示す診断書、身分証、印鑑などが必要になるようです。必要書類を提出し、審査を無事通り、り初期費用を納めたら、シェアサロンを利用できるようになります。申込は比較的簡単といえますが、実際に自分を選んでくれたお客様を迎え入れる場所となるサロンです。抱いていたイメージとのずれがないように、会員登録をする前に実際に足を運んで自分の目でしっかり見学しておくと安心です。
まとめ
貸し店舗などで自分のサロンを持つより、少ないリスクで独立開業できるシェアサロン。「自分のサロンを持ちたいけれど初期費用にそこまでかけられない」「無駄なく、効率的に運営をしていきたい」「自分のペースで無理なく働きたい」という人にとっては、新しい独立開業の選択肢として検討する価値がありそうです。今後、ますます増えていきそうな美容師、エステ、ネイル、マツエクなどの美容系シェアサロン。ぜひ検討してみてください。
