女性のアイサロン利用率が過去5年で最高に

リクルートの『ホットペッパービューティーアカデミー』の調査による、過去1年間における美容サロン利用実態では、2022年のアイビューティーサロンの利用率は過去5年で最も高い9.3%という結果でした。なかでも最も利用されているメニューは「まつげパーマ・カール」ということからも、まつ毛エクステサロンのニーズが高まっていることが伺えます。 とはいえ、全体でみれば1割以下と低い水準であることも事実です。しかしその分、今後、伸びしろのある業界という見方もできるでしょう。

マツエクサロン開業に必要な資格とは?

まつ毛エクステの施術をするには美容師の国家資格が必要です。2008年以前は無資格でも可能でしたが、施術の際のトラブルが多くあったため美容師資格がなければできなくなりました。そのため、まつ毛エクステサロンを開業して自分で施術もするのであれば、美容師資格は必須となります。自分はオーナーとしての役割に専念し、美容師資格を持ったスタッフを雇用するのであればマツエクサロンを開業することは可能です。しかし、美容師資格を持つスタッフが万一辞めてしまうことになれば経営の継続が難しくなるというリスクもあるため注意が必要です。

マツエクサロンはどうやって開業する?

マツエクサロンの開業は主に以下の3つのスタイルがあります。

1 自宅の一部をサロンにする(自宅サロン)
2 店舗 (テナント) を借りる、あるいは新たに建てる
3 フランチャイズに加盟する

1つ目の自宅の一部をリフォームして開業する自宅サロンは、他と比べてコストがかからず、開業のリスクが少ないというメリットがあります。マンションなどの集合住宅の場合は、あくまで住居用で店舗利用ができない場合もあるので事前に確認が必要です。

2つ目の店舗を借りたり、建てたりする場合は、繁華街など人の集まる場所で開業できるというメリットがあります。もちろん、店舗を借りるための保証金やリフォーム費用などがかかりますが、間取りや設備をそのまま利用できる居抜き物件であればコストを抑えることも可能です。

3つ目のフランチャイズはアイサロンとしてのブランド力を利用でき、経営や技術的なノウハウなどを本部から学べるなどのメリットがあります。もちろんフランチャイズとしてのロイヤリティの支払いや経営的な制約もあるので、自分らしい店づくりをしたいという意味での自由度は低くなります。

そして、1から3のいずれで開業する場合も、施術スペースやサロン専用の水道設備、薬剤を使うための十分な換気設備、水が染み込まない壁・床の材質であるかなど、マツエクサロンを開業するために必要な保健所の定める条件をクリアすることが求められます。店舗だけでなく、自宅サロンの場合も条件は同じです。 開業する場所を管轄する保健所の定める規定をしっかり把握して、内装工事をはじめとした開業準備を進めるようにしましょう。

《美容所検査の項目例》
・施術を行う部屋の床面積が一部屋13平方メートル以上あるか
・作業場の床〜天井までの高さが2メートル以上あるか
・床材は水の染み込まない材質であるか
・壁材は水の染み込まない材質であるか
・換気扇の数
・人工照明(電気)を含めて採光はあるか
・保管設備が1箇所以上あるか
・洗面所等の洗い場はあるか
・応急薬品や衛生品が常備されているか

マツエクサロンを開業するために必要な備品は?

マツエクサロンを開業するために準備する備品・消耗品もさまざまにあります。もちろん、自分が思い描くコンセプトやサービス内容、メニューなどによって必要なものは変わるかと思います。一例としてまとめましたので参考にしてみてください。

・施術用ベッド&スツール
・施術用サイドテーブル
・ワゴン
・施術用照明
・消毒器
・加湿器
・スピーカー
・扇風機
・タオル
・ティッシュ
・コットン
・消毒用エタノール
・綿棒
・リネン
・かご
・ラグ
・クッション
・小物入れ (アクセサリー)
・綿棒・コットン用容器
・スクリューブラシ
・施術キット一式

《メイクルームに必要な備品》
・化粧台 (鏡)
・椅子
・化粧水や乳液
・コットン
・綿棒
・ブラシ
・メイク落としや洗顔
・タオル
・ハンドソープ
・ペーパータオル

《カウンター周辺に必要な備品》
・電話(携帯)
・決済端末(iPad等)
・レシート用サーマルプリンタ・クレジット決済端末
・カウンセリングカルテ

《待ち合いスペースに必要な備品》
・小さなテーブル
・ソファなど椅子
・メニューブック
・コーヒー・紅茶、 ウォーターサーバーなどサービス飲料
・お手拭き
・ティッシュ

美容室やエステサロンなどと異なり、マツエクサロンは大きな設備や高級美容機器の準備はそれほど必要ではありません。 それでも施術機器や家具、 消耗品など多岐にわたって買い揃える必要があります。すべてにこだわるとその分かかる費用も高くなります。特に消耗品はランニングコストとなりますので、いくら品質が良いとは言え経営を圧迫するとなれば本末転倒です。準備できる資金や想定している売上などと照らし合わせてランクを検討するようにしましょう。

開業後に必要なランニングコスト

まつ毛エクステサロンを開業したあとのランニングコストについて解説します。ランニングコストとは、お店を運営していくなかで毎月発生する費用です。

《主なランニングコスト》
・家賃
・水道・光熱費
・マツエク資材
・ティッシュ、コットン、タオルなどの消耗品
・コーヒーやお茶などのサービス消耗品
・(人を雇用している場合) 人件費

家賃はテナントや賃貸物件を借りた場合に必要なものです。家賃は固定費として大きな割合を占めますので、自宅サロンなどで賃料がかからない場合は大きなメリットとなります。
そのほか、スタッフを雇用する場合には人件費も大きな割合となります。一度雇ったら簡単に辞めていただくという選択肢は選べなくなります。人件費は給与のほか勤務時間等によっては社会保険の加入も必要です。しっかり準備をしたうえで責任をもって雇用するようにしましょう。そのほか、マツエクの資材をはじめ、日常的に使うティッシュやタオルなども消耗品として必要となるものですので注意が必要です。

まとめ

美容師の国家資格を持っている人であればマツエクサロンの開業は可能です。美容サロンと比べれば大きな施術機器を揃える必要はなく自宅サロンでも比較的開業しやすい分野といえるのではないでしょうか。 とはいえ、施術ベッドやスツール、手元をしっかり照らす施術用のライトなど、マツエクを施術するうえで必要不可欠な設備もあります。 また、換気や水回りなど保健所の定めるサロンとしてのルールもあるので、事前にしっかりと下調べすることは必要です。 どのようなサロンにしていくのか、サロンのコンセプトにあわせて家具や備品を揃えていくのは楽しみでもありますよね。漏れがないようにしっかりと確認しながら、ぜひ自分らしいサロンを開業してください。

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