サロン事業計画書を作る

事業計画書を書く女性

サロンを開業しよう!と思い立ってすぐに事業計画書を作れるか、というとそう簡単なものではありません。サロンのコンセプトや特徴はもちろん、売上や経費などの目標や想定されうる金額、それを実現するための入念なプランなど、具体性が必要だからです。つまり、事業計画書を作るまでにもさまざまな準備が必要です。

①創業の動機《開業する動機、目的を整理する》

なぜサロンを開業しようと思ったのか、その理由を整理し、自分が叶えたい事業の目的を改めて明確にしましょう。事業計画をたてるうえではもちろん、開業後、サロンを営業していくなかで迷った時の原点にもなります。思いついたら曖昧にせず箇条書きでもいいので書き起こしておくと後でまとめやすくなります。

●書き方のポイント

「常連のお客様から独立を勧められた」「安い物件を契約したから」などでは主体性に欠け、思いつきで創業を考えているように思われてしまう可能性もあります。創業へ向けてどれぐらい準備をしてきたのか、支援者の協力はあるのか、立地を決めた理由、どんな経営方針なのかをなるべく具体的に書きます。

  • 10年の勤務経験で技術や経営ノウハウを身につけられたため。
  • 勤務先で固定客が付き、エステ資格を持つ妻とともに独立後の目処がついたため。
  • 駅近くの通り沿いにコストにみあった良い物件が見つかったため。
    など

②経営者の略歴等《スキルや知識、経験、人脈を確認する》

起業する女性

やる気と勢いだけで開業してもうまくことは運びません。運営し続けていけるだけの知識やスキル、経験が自分にあるかどうか、客観的に見定めましょう。また、今サロンに勤めている人であればそこで培った人脈や信用も将来につながる大切な資産になります。知識やスキル、経験、人脈などを地道に広げ、独立開業するタイミングを計画しましょう。

書き方のポイント

経営者の略歴といっても、履歴書のように学校の卒業年数や勤め先の勤務年数を記載するだけでは自分の強みを明示できません。当時の役職や実績、待遇、また取得した資格などを具体的に書き添えます。

③取扱商品・サービス《自分のサロンの強みを持つ》

サロンの強みイメージ

ネイルサロンにしても、エステサロンにしても、同業他社はたくさん存在します。そのようななかで顧客をつかんでいくには、自分のサロンの強みを理解し、それを上手に伝えていくことが重要です。商品なのか、サービスなのか、技術なのか、価格なのか。出店エリアで顧客を惹きつける独自性を打ち出せるか検討します。

●書き方のポイント

取扱商品については、サロンでのメニューや金額を書きます。独自のメニューがあればあわせて記載したほうが良いでしょう。また、セールスポイントでは「アットホームなお店」「最新の技術を提供」など曖昧な表現は避けます。自分のサロンの強みや特徴をなるべく具体的に書き、お店のイメージが伝わるようにします。

      
  • 天然成分のアロマを用い、肌ケアに特化した施術をする。
  •   
  • カウンセリングに重点をおき個別のカルテをもとにしたオーダーメイドコースを提供する。
    など

④取引先・取引条件《顧客ターゲットを明確にする》

どんな人に向けた商品、サービスを扱うサロンなのか、お客様を具体的にイメージし、それにみあった店舗の立地や内装、メニューなどを考えます。

●書き方のポイント

たとえば、一般個人という表現だけではどんな顧客でいったいどれぐらいの数を見込んでいるのかイメージできません。今の勤め先での固定客が独立後どれぐらい来店してくれるのか、また出店エリアで新規の顧客がどれだけ見込めるのかなども書きます。あわせて、仕入れ先やその関係性も具体的に書けると信頼につながりやすくなります。

⑤従業員《従業員を確保する》

従業員イメージ

創業計画書では、創業に際して3ヵ月以上継続雇用を予定している従業員数を記入する項目があります。固定費として人件費は大きな負担になります。家族に協力を仰いだり、人材派遣会社やアルバイトなどの活用も検討しましょう。

⑥お借入の状況《借入状況を整理する》

事業や住宅、車のローンなど借り入れの現在の状況を、借入残高、年間返済額を含めて記載します。

⑦必要な資金と調達方法《資金を準備する》

家賃や必要な機器などの設備資金、その後の運転資金を明確にします。そして、その費用をどう調達するのかを記載します。開業にあたっては借入金で多くを賄う、という場合も多いでしょう。しかし、毎月の返済額が大きすぎると創業時の負担となります。開業を考え始めたら着実に自己資金を蓄えるところから始められると負担が軽減されます。

書き方のポイント

自己資金がある場合には金額とあわせて記載します。親族や金融機関などから借り入れる場合にはそれぞれ金額のほか、返済方法や年利なども記載します。

⑧事業の見通し《売上高や利益を予測する》

事業計画書イメージ

売上(収入)や経費(支出)を具体的にシミュレーションしてみましょう。過大な売上を記載しても意味がありません。根拠を示せる予想売上高とし、手堅い収支計画をたてます。また、利益をもとに、生活費への支出や借入金の返済が可能かどうかを、具体的に検討します。

書き方のポイント

日本政策金融公庫の創業計画書の経費の項目には「人件費」や「家賃」、「支払い利息」、「その他」があります。家賃や光熱費など、店舗を借りてサロンを営業するのか、自宅の一部をサロンにするのかによって、経費の扱いが変わるものもあります。また創業後、意外と経費がかかったということもあるため、自分のサロンの場合、何にどれぐらい経費がかかるのかを洗い出しておくようにします。

《まとめ》サロンの事業計画書(創業計画書)の作り方

事業計画書(創業計画書)は自分が思い描くサロン事業のベースとなるものです。サロンの開業・運転計画に無理がないかどうかを改めて客観的に見ることができる機会ともなるため、繰り返し見返し、適宜修正をしていきましょう。また、日本政策金融公庫や銀行など融資をする側からすると、実現可能な事業計画か、きちんとお金の管理ができる人なのかなどをみる重要な判断材料となります。自分のサロンに期待や夢をふくらませるのはもちろん大切なことですが、事業が思うようにならない場合も想定した手堅さのある事業計画書(創業計画書)としてまとめることが重要です。