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整骨院・接骨院の保険診療とは?
接骨院・整骨院の売上の約半分は保険診療です。ただし、柔道整復師が診る場合にも、骨折や脱臼・捻挫など、保険を適用できる症状には制限があります。大枠で言うと緊急性の高い怪我やその治癒を目的とするリハビリは保険診療となり、慢性的な腰痛などの症状の緩和は保険診療外、つまり自費診療となります。保険診療となる症状の具体例を挙げると以下の通りです。
<保険診療となる症状>
・骨折
・不全骨折
・脱臼・捻挫、打撲、挫傷
・負傷原因が急性または亜急性(急性に準ずる)の外傷性の負傷
骨折をした場合にはレントゲンを撮ることがほとんどですが、柔道整復師はレントゲンを扱うことができません。怪我の症状によっては医師の診断も必要となります。骨折等の場合には別途病院の医師の診断を仰ぐよう、患者に伝えることが必要です。

保険診療費の現状
保険診療をした場合、患者の自己負担は3割です。残りの療養費用は整骨院・接骨院側で各支払審査機関に申請し受け取ります。しかし高齢化によって医療費が増加し、これ以上の支出を抑えようと国が負担する医療費を削減していく動きがあります。こうした背景もあり、柔道整復師にかかる療養費は減少傾向にあります。つまり、接骨院・整骨院にとって保険適用の診察だけでは安定的な経営は難しいという状況にあるのです。
接骨院・整骨院の自費診療メニューとは
健康保険の適応外となる施術メニューは、緊急度の高い治療ではないもの、つまり慢性的な症状の緩和に対する施術です。整体やカイロプラクティック、タイ古式マッサージやヘッドマッサージなどのマッサージ系、あるいは、骨盤矯正や小顔矯正といった矯正系、不眠症や自律神経失調症、冷え性、頭痛などの自覚症状の悩みに対する施術、リフレクソロジーやアロマテラピー・まき爪・痩身などの美容系施術も自費診療です。接骨院や整骨院であっても整体師を雇ってマッサージメニューを加えたり、柔道整復師の得意な分野にあわせて運動療法を組み合わせたりするなど、独自のメニューをつくることもできます。
接骨院・整骨院が自費診療をするメリット
自費メニューを導入するメリットは以下の通りです。
①売上の安定、向上
自費診療は患者から受け取った代金がそのまま売上につながります。その接骨院や整骨院にしかないというような付加価値の高いメニューであれば単価を上げることも比較的容易です。さらに、リピーターを掴むことができれば安定した収入を見込むこともできます。
②申請手続きが不要
保険診療には必ず申請手続きが伴います。しかし自費診療は患者から受け取る代金が全てのため、煩雑な手続きが不要となり、手間や時間を省くことができます。
③自分の得意分野を活かせる
柔道整復師としての資格・技術と組み合わせて、自分の得意分野も活かせるのも自費診療のメリットです。例えば頭痛や腰痛、肩こりに対する施術が得意であればそういったメニューを取り入れるのも1つの方法です。今まで保険診療のみでやってきたオーナーさんにとって自費診療の導入に抵抗感を抱いてしまう場合もあるかもしれませんが、患者が持つ悩みに様々な角度でアプローチできるようになれば、売上の向上はもちろん、患者からも喜ばれる結果となるはずです。
④独自のメニューが差別化に
自費診療のメニューはその店ならではものになりやすく、そのまま個性にすることができます。また、20代や30代のファミリー世帯が多く住む地域であれば、出産後の骨盤矯正に対処する施術を取り入れたり、学生が多く住んでいる地域であれば部活動などスポーツ中の怪我を防ぐための運動指導などを取り入れたりするなど、地域ごとの特性にあわせたメニュー作りも柔軟にすることができます。定められた保険診療内の施術より、より地域のニーズに合わせた経営戦略が可能になるのも自費診療メニューを取り入れるメリットといえます。

自費診療メニューを導入する際の注意点
自費診療には以下のデメリットもあります。導入を検討する際には注意しましょう。
既存の顧客が離れてしまう
接骨院・整骨院を選ぶうえで保険が使えるかどうかは患者にとってとても重要な判断基準です。保険診療を続けながら自費診療をメニューに加えるのであればそれほど影響はないかもしれませんが、もし保険診療をやめ自費診療のみに切り替える場合には、既存客が離れるリスクは覚悟しなければなりません。これまでの顧客も大切にしたいという場合には、保険診療も並行して続けていくのが良いでしょう。
技術に対しての患者のジャッジがシビア
自費診療の施術は独自の技術やメニューであるがゆえに、資格として認められた基本的な技術があれば大丈夫というものではありません。患者の納得のいく結果を出すことが求められ、できなければ患者はすぐに他の院などに離れていってしまうでしょう。また、信頼を得るために実績を重ねるのはもちろん、施術人数やアンケートによる評価などその実績を具体的に数字として表現することも大切です。顧客からの安心・信頼を獲得するための努力が不可欠といえます。
自費メニュー導入での売上アップのコツは?
自費メニューの売上は、施術した患者数×客単価が基本です。保険診療と異なり自費診療は単価を接骨院・整骨院側が自由に決められます。指圧40分3000円、骨盤矯正1回2000円など、施術の内容や時間、回数などに応じて設定していきます。その地域の相場も踏まえながら決めましょう。また、一人の患者に対する来院回数も重要です。
保険適用をすれば数百円というような施術であれば、治療計画に沿って患者に3日後の来院を促すこともできますが、例えば1万円近いような自由診療の施術を月に何度も促せば、患者の金銭的な負担も大きく、不信感につながりかねません。患者の症状をしっかりカウンセリングした上で、施術方針や内容を伝え、そのためにはどれくらいの期間や回数通っていただくことが必要だということをあらかじめ共有しておくことで、患者も安心して施術を受けることができます。接骨院・整骨院側にとっても、患者ごとの施術計画をベースにして売上の目処をより具体的に立てやすくなるというメリットもあります。そのためにも、事前の患者とのカウンセリングの時間はとても重要です。患者の症状に対する悩みをキャッチし、適切な施術メニューにつなげることが売上アップのポイントとなるでしょう。
また、保険診療と並行しながら自費診療を行う場合には、1日に施術できる人数の見極めも重要です。自分だけで施術するのか、あるいは従業員を雇うのか、計画を立てやすい予約制にするか否かなど、自分の店にあった方法を見つけましょう。
まとめ

自費診療の導入は経営的な視点で見ればメリットの大きいものと言えます。保険診療と並行しながらできる範囲で導入するというやり方もあります。自分の接骨院や整骨院だったらどんな自費診療メニューが作れるのか。まずは他院の様子も参考にしながら、シミュレーションしてみることをおすすめします。
