美容室がマツエクを導入するメリット

美容室がマツエクメニューを導入するとどんな良いことがあるのか。まずはメリットから解説します。

美容師が兼務できる

美容師免許を取得している技術者が必要な講習を受ければ、アイリストとしてお客様に施術することができます。オーナー自身が美容師であれば自分がなったり、また現在在籍している美容師、ヘアスタイリストのうちの誰かにアイリストとしての技術を磨いてもらうこともできます。すぐにマツエクメニューを導入したいということであれば経験者を雇うことが必要になりますが、今後様子をみながらじっくり導入していきたいという場合には今いるスタッフのなかからアイリストとしてチャレンジしたい人を育てるのも1つの方法でしょう。新たな従業員を雇う必要がないので、固定費としての人件費が増えるという心配はありません。また、講習や資格取得費用を会社で負担するなどのしっかりとしたサポートをすれば、スタッフのモチベーションアップにもつながるでしょう。

サロン全体の売り上げが上がる

ヘアサロンに加え、マツエクメニューが増えることで、サロン全体の売り上げ向上が見込めることもメリットの1つです。また、併設サロンであればこれまでのヘアサロンのお客様がマツエクメニューに関心を持つことも大いにありえます。お客様にとっても日頃から通っているサロンであれば初めてのマツエクサロンより安心です。ヘアサロンとのつながりは、集客上でのメリットも大きいといえるでしょう。

新規のお客様の獲得につながる

これまで美容室としてヘアのお客様だけだったところから、マツエク目的で来店される新規の顧客が増えるということも考えられます。これはサロン全体から見て大きなメリットです。また、マツエク事業が軌道にのれば、マツエクサロンからヘアサロンを知った、という逆の流れでの認知度アップにももちろんつながり、アイビューティーもヘアもすべてお任せ、という顧客が増えていくこともあるでしょう。ヘアサロン、マツエクサロンでの相乗効果が期待できます。

美容室がマツエクを導入するデメリット

一方で美容室がマツエクメニューを導入する際に気をつけたいこともいくつか挙げられます。マツエクを導入する前に把握しておき、対策しておくと安心です。

マツエク施術の場所を確保する必要がある

美容室でマツエクサロンを併設する場合、新たにマツエクを施術するための場所や設備を用意する必要があります。現状のサロンに空いているスペースがない場合には、ヘア用の席数を減らす必要があるかもしれません。パーテーション等で区切ることで対応することもできますが、美容室はドライヤーやシャンプーの音、美容師と他のお客様の会話などさまざまな音が発生します。一般的にマツエクサロンの場合、施術中は静かにリラックスして過ごしたいというお客様が多く、ヘアサロンのようにさまざまな音が聞こえる状態は良い環境とは言いがたく、印象はあまりよくありません。しかし、個室を別で設けるとなるとヘアサロンのスペースが圧迫されてしまい、席数を減らせばこれまでのヘアサロンとしての売上減少に直結してしまう懸念もあります。美容室とうまく並行してマツエク事業を展開していくために、お客様が快適にマツエク等のサービスを受けられる環境をいかにつくるかが課題となってきます。

美容室併設に対応したマツエク商材の準備

実は、マツエクに使用するグルーなどの商材は温度変化に弱いという特性があります。また、カラー剤やパーマ剤から揮発する成分に影響を受けることもあります。とくに、空気中に発生するアンモニアの濃度によってグルーの硬化時間が変わってくるため、施術のしにくさやサービス品質の悪化にもつながりかねません。マツエク専門の環境であれば問題ありませんが、ドライヤーの熱やパーマのヒーターによる熱、シャンプー台による湿度など、室内の温度環境が変化しやすい美容室と併設する場合には注意が必要です。そういった影響を極力少なくするためにも、個室にしたり、サロンの出入り口やシャンプー台などから離れた場所にマツエク施術のスペースを設けるなどの工夫が必要になります。また、ヘアサロンの環境でも影響を受けにくい、ヘアサロン専用のグルーも販売されているので、事前にそれらを準備しておくことも選択肢に入れるべきでしょう。

施術者の確保

美容師の資格を持っていればなれるとはいえ、アイリストとしてお客様に施術をするには知識も経験も必要です。今在籍している美容師がアイビューティー関連の講習を受けたり資格を受けたりしながら技術を積むこともできますが、スタイリストとしての業務と並行しながらとなることもあり時間がかかります。実際に売上をあげられるようになるまでには長期的な視野でみていく必要があるでしょう。即戦力がすぐに欲しい、という場合にはアイビューティー専門のアイリストを採用するということになります。すでに必要な技術や知識は備わっており、トレンドも抑えられているので、サロン側が新たに教育をする必要はありません。しかし、専門スキルを持った人材を雇い入れることは人件費が増えるということにもなるので、自分のサロンにはどちらがあうのかよく検討するようにしましょう。

マツエクにも技術レベルの高さを求められる

美容室のオーナーさんの中には、マツエクを取り入れたとしても「うちの本業はヘアサロンだから」とマツエクにあまり注力しない方もいるかもしれません。しかし、マツエクが美容習慣として定番化しつつある今、お客様のマツエクに対する知識も深くなり、マツエクの仕上がりに対する期待値、水準はとても高いところにあると言えます。「思ったような仕上がりじゃないな」と感じてしまうと、他のサロンにすぐにうつってしまうお客様も多いはず。マツエクとヘアサロンの併設サロンも増えている現状を鑑みれば、ヘアサロンの固定客をも失ってしまうことに繋がりかねません。マツエクを新たなサービスとして取り入れると決めたからには、ヘアサロンと同様にしっかり技術やサービスの向上に注力していく覚悟も必要になります。

まとめ

美容室がマツエクメニューを導入して併設サロンとなる上でのメリット、デメリットを解説してきました。美容に対して意識の高いお客様であれば、一度の来店でヘアもマツエクもできる併設サロンは便利であり、自分の好みを知ってくれているという安心感、信頼感もあります。サロンとしてはそのような利点と、美をトータルに提案できる、というメリットを上手に集客に生かしていくことが成功の鍵ともなりそうです。併設型サロンだからこそできる魅力やコンセプトを明確にアピールし、マツエク専門サロンに対抗できるような形を目指してみてはいかがでしょうか。