異業種からサロン事業に参入する方法

異業種からサロンを開業する方法として、3つの方法が挙げられます。1つ目は自分自身がスキルを身につけ開業する方法、2つ目はすでにあるサロン事業をM&Aすること、3つ目はサロン事業を展開する企業のフランチャイズに加盟することです。それぞれの特徴を具体的に見ていきましょう。

1.自分でスキルを習得して自分のサロンを開く

美容師やまつ毛エクステの施術をおこなうには美容師免許が必須となりますが、ネイリストやエステティシャン、その他リラクゼーションの施術者になるには必須の資格はありません。そのため、自分でスキルを習得できればサロンを開業しやすい分野といえます。とはいえ、ゼロからのスタートであれば独学、あるいはスクールや専門学校などに通って専門の技術や知識を身につけたり、未経験からサロンに勤め、実際の現場でスキルを習得していくことが必要でしょう。多くのスクールでは民間の資格を取得できるコースがあるはずです。経験が少ない分、自分の技術を証明するためにもそれらの資格を持っているほうが独立の際には有利でしょう。また、サロンで就業する際には「いずれは自分のサロンを持つ」ということを常に念頭に起き、技術的なことはもちろん現場のオペレーションやマネジメント、集客の方法など経営者としての視点も学んでいきます。
自分でスキルを身につけて独立することのメリット・デメリットは以下が挙げられます。

メリット

  • 技術を習得する間、じっくりサロン開業の計画を練ることができる
  • 自分で施術できるのでスタッフを雇わず開業できる
  • 自分の技術や個性を生かしたサロンづくりができる
  • 就業しながら週末だけ自宅サロンをするなど気軽に起業しやすい

デメリット

  • 技術や知識を身につけるまでに時間がかかる
  • 業界の情報や実際の仕事の流れを把握しにくい
  • 開業後も自分が施術するので経営に集中できない
  • ひとりで開業した場合怪我や病気をすると売り上げがたたなくなる

前職での経験をサロン経営に生かして成功する人もいます。たとえばデザイナーから転身したあるネイリストの方はデザイナー時代に培ったセンスをネイルアートに反映し、それがサロンとしての差別化につながり多くのファンを獲得することができたそうです。また、マネジメント能力などは業界問わず必要なものです。前職で培った技術やマネジメント能力をサロン経営にうまく融合できると、サロンの個性や安定した経営ににつなげやすくなります。

2.すでにあるサロン事業をM&Aする

サロンの開業方法は必ずしもひとりですべてを背負うようなスタイルばかりではありません。たとえば、M&Aもその方法の1つです。すでにサロンを営業しており何らかの事情で手放したいというオーナーからその権利を譲り受けます。異業種からの参入の場合、業界のノウハウを知るのにいうまでもなく時間がかかります。しかし、M&Aであればサロン事業のノウハウや技術者、さらには顧客も譲り受けることができるので、すぐに事業をスタートすることができます。

メリット

  • すでにブランディングが確立している
  • 一定の営業基盤(顧客)を引き継げる
  • 経験のあるスタッフもそのまま引き継げる(採用・教育コストが低い)
  • オーナーは経営に集中できる

デメリット

  • 買収費用がかかる
  • すでにブランディングされている場合、自分の個性を打ち出しにくい
  • オーナーが変わることで企業の風土や文化があわず離職率が上がったり、組織が分解してしまうこともある

M&Aというと数千万円単位のことなのではと思いがちですが、小さなサロンなどでは数百万円、なかには100万円未満の取引もあります。もちろん赤字経営が続いているなど状況はさまざまに異なりますが、タイミングがあえば自分の希望にあう良いところと出会えるチャンスもあります。M&Aの場合は過去の実績を元に事業計画を立てることができるのも大きなメリットです。慎重な見極めは必要となりますが、一から自分で立ち上げるよりは時間的なコストは抑えられます。また、いくら事業として良いM&Aができたとしても、サロン経営は「人」が生み出すサービスが基本です。スタッフとの信頼関係を構築できなければ、せっかく買収した事業も組織が空中分解してしまうことになりかねません。スタッフのモチベーションをどう維持、向上させていけるかなど、オーナーとしてのマネジメント能力が求められます。

3.サロン事業を展開する企業のフランチャイズに加盟する

フランチャイズとは、定められた店舗名で決められたサービスを提供する契約のことを言います。加盟する側は加盟金を支払い、その分、本部はさまざまな経営サポートを提供します。異業種のビジネスに新規で参入していくことはハードルが高く、様々な投資コストも必要です。その点、フランチャイズビジネスを利用すればノウハウの提供や補助などが受けられます。

メリット

  • すでにブランド力がある(集客やスタッフ募集もしやすい)
  • サロン業界のサービス、経営ノウハウを提供してもらえる
  • 集客の補助、アドバイスがもらえる
  • 備品購入などを安価にできる
  • スタッフ育成・教育の研修会等がある場合もある

デメリット

  • 加盟金やロイヤリティを支払う必要がある
  • 店舗のサービス等に個性を出しにくい
  • 営業時間、料金設定など営業方法などに決まりがある
  • 売上等、本部への報告・調整が必要

サロン業界について何も知らない場合、フランチャイズ本部からのアドバイスは強い味方となるでしょう。また、サロンの運営に必要となる商品や様々な備品、消耗品なども本部のネットワークで安く購入できたり、広告費の補助が受けられたりなどのコスト削減が期待できることも魅力です。

まとめ

異業種からサロン事業を始める方法として、1人で一からスキルを身につける方法、すでにある事業をM&Aする方法、フランチャイズに加盟する方法という3パターンについて解説しました。オリジナリティのある店舗を作りたいなら1人で一からスキルを身につける方法を選びたいところですが、すべて個人で準備するために時間的な負担やリスクも大きいことが考えられます。
一方でM&Aやフランチャイズは個人としての負担は減るものの、自分が思い描くサロンをオープンするという夢は叶いづらいかもしれません。それぞれにあるメリットやデメリットを比較検討することで、自分がどのようにサロン事業をおこなっていきたいのか見えてくることもあるでしょう。
また、エステなどの美容業界は景気の影響をうけやすいと言われています。中でもエステティック業界は流行の流れが早く、顧客の争奪戦が激しい面もあります。ただ一方でトレンドをいちはやくつかみ、ブームをつくることできれば売上をつくりやすいともいえます。脱毛や痩身など、業界の中でもさらに専門性を際立たせて差別化するのも1つの方法です。サロン業界の動向を分析しつつ、自分の状況にあったサロン開業方法を見つけ、ぜひ事業開始に向けてチャレンジしてみてはいかがでしょうか。