飽和する整体院業界

整骨院や整体院、マッサージ院などのリラクゼーション施設は、コンビニエンスストアの数を大きく上回るくらいたくさんあります。最近では、整骨院や接骨院の中には、保険診療をやめて完全に自費診療に切り替えているところも増えています。そして将来的には人口が減ることも心配されており、整体院同士の競争がますます厳しくなるのではないでしょうか。だからこそ、整体院が競争の中で生き残るためには、自分たちの経営をじっくり見直すことが必要です。

整体師に求められること

整体師に求められる資格

整体師は、柔道整復師や鍼灸師とは異なり、民間の資格なので誰でも開業することができます。ただし、整体院を経営する視点から見ると、資格の有無は重要な要素となります。

資格を持っている整体師は、お客様に安心感や信頼性を与えることができます。これは、長期的にみて集客力を高める要素となります。特に、柔道整復師や理学療法士、作業療法士、鍼灸師、あん摩マッサージ師などの資格は、整体院の経営において高い信頼性を持つ例です。

整体院の経営において、資格を持つ整体師が活躍することで、施術の品質や技術の向上にも繋がるでしょう。資格を取得することによって、整体院の信頼性を高め、集客力や顧客の長期的な満足度を向上させることが可能です。

整体師に求められる資質 

整体師として長期的に成功するには、お客様の気持ちに寄り添える力が必要です。整体院を運営していくためには資金も必要ですが、「お金を稼ぎたい」という目的だけが大前提であると、お客様は定着しづらくなります。
一方で、「お客様のお悩みを解決したい」という意志が整体院に見られれば、お客様もリピーターとして定着し、長期的な整体院経営も安定します。
そのためには、技術力はもちろんのこと、カウンセリング能力が重要です。お客様の抱える不安や不満を理解し、解消することで、お客様からの信頼を得ることができます。
整体院を訪れるお客様は腰痛や肩こり、頭痛などの悩みを抱えていますが、その多くは痛みが治らず長期的に悩みを抱えている方も少なくありません。
その結果、お客様は「この症状は治らない」「一生付き合っていくしかない」と諦めがちです。整体師はこのようなお客様に寄り添い、少しずつ解決へと導くことが求められます。
お客様の心身の健康を真剣に考え、一人ひとりに寄り添うことで、長期的な関係を築き、整体師としての成功を実現することができるでしょう。

整体院の経営で押さえたい売上向上の5つのポイント

①ターゲットに即した集客施策

整体院の売上を向上させるためには、ターゲットに即した集客施策が重要です。整体院を開業し、運営する際には、最初に自分がどのようなお客様を呼び込みたいのか、ターゲットを絞ることが必要です。
自分の得意分野を最大限に活かすためにも、ターゲットを絞ることは欠かせません。ターゲットを絞ることで、お客様も整体院を選びやすくなります。例えば、腰痛に特化した施術が得意であれば、その点を強調したキャッチフレーズを掲げることで、腰痛に悩むお客様を集客できるでしょう。

②リピーターを増やす

整体院の経営を安定させるためには、新規のお客様を集客するだけでなく、リピーターを増やすことが重要です。1回の施術のみの方が多いと、常に新規のお客様を集め続けなければ売上を確保するのが難しくなります。

<整体院に来られるお客様の分類>
①新規のお客様
②定期的に来院するお客様
③休眠中のお客様

この中で、特に定期的に来店するリピーターを増やすことが、売上向上に一番効果的です。そこで、施設のリピーターを増やすためには定期的にニュースレターを送付したり、季節ごとに見られやすい症状について解説した、ダイレクトメールなどを送付したりすると効果的でしょう。

「1:5の法則」というマーケティングの法則によれば、新規のお客様を獲得するには既存のお客様の5倍のコストがかかるとされています。そのため、離脱を減らし、継続ユーザー化することが重要です。
リピーターを増やすためには、施術結果を出すことはもちろん、アフターフォローも重要です。お客様が整体院の存在や来院の必要性を忘れないよう、定期的なニュースレターやダイレクトメールを送付するなどの手法が効果的です。

定期的なコミュニケーションを通じて、お客様との信頼関係を築き、整体院を選び続けていただけるよう心掛けましょう。リピーターを増やすことで、売上の安定化と整体院の成功につながるでしょう。

③適切な価格設定

整体院の適切な単価設定は、施術費を決める際に悩む整体師の問題の1つです。適正な単価は売上向上につながる要因であり、自費診療のため柔軟に設定できます。ただし、高すぎると客のハードルが高くなり、低すぎると売上が上がりません。売上目標を設定し逆算して単価を決めることが重要です。

まずは売上目標を設定し逆算して単価を決めるところから始めましょう。
仮に1ヶ月当たりの売上げを120万円に設定します。月に20日稼働するとした場合、1日あたり60,000円売上げなければいけません。1日10人に対して施術ができるのであれば客単価は6,000円、20人に施術ができるのであれば客単価3,000円に設定する必要があります。 

市場調査、コスト分析、施術内容と付加価値、顧客ニーズを考慮し、競合他社と相場価格を比較しつつ、収益を最大化できる価格帯を設定します。初期段階では試行錯誤が必要で、改善を重ねることで成功の経営を目指しましょう。

④スタッフの教育とスキル向上

整体院の成功にスタッフの教育とスキル向上は不可欠です。技術力や接客力を向上させるための研修を行い、顧客の信頼と満足度を高めることで、口コミでの広がりや再来率の向上に繋げましょう。

整体院の規模が大きくなると、整体師の採用・育成・標準化の仕組みづくりが重要になります。採用では身なりや言葉遣い、質問に対する回答などを厳しくチェックし、資質を見極めることが大切です。整体師の性格や人間性は後から変えにくいため、面接チェックリストを用意して漏れのないよう確認することが重要です。

整体師の育成は、施術のスキルを標準化することを目指します。技量のばらつきがあるとお客様から特定の整体師に依存されることが増えるため、全ての整体師が同じ結果を出せるレベルまで育成します。
整体師の採用と育成により、整体院の品質向上と経営の安定を図ることができます。スタッフ同士の協力と共通の技術レベルを持つことで、お客様の信頼を得て長期的な成功を実現するでしょう。

⑤新たなサービスやメニューの導入

競合他社との差別化を図るために、新しいサービスやメニューの開発・導入は非常に重要です。顧客のニーズを把握し、それに応じた魅力的なサービスを提供することで、顧客の心を掴み、競合他社との差をつけることができます。
顧客のニーズを把握するためには、アンケート調査やフィードバックを積極的に行い、お客様の声に耳を傾けることが重要です。また、業界のトレンドや市場動向を把握し、新しい需要やニーズに目を向けることも大切です。

ただし、新しいサービスやメニューを導入する際には、十分な検討と計画が必要です。顧客のニーズを満たすだけでなく、整体院の特色やコンセプトに合った提案を行うことで、差別化をより効果的に図ることができます。

さらに、導入したサービスやメニューの効果を定期的に評価し、必要に応じて改善を行うことも重要です。継続的な改善を行うことで、お客様の満足度を高め、競合他社との差別化を持続的に実現できるでしょう。

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