目次
サロンスタッフを雇用する上でのポイント
採用したいスタッフ像を決める

まず、エステサロンで求めるスタッフ像を明確にしましょう。採用したい人材が未経験者である場合は、サロンでの育成に重点を置き、基礎から教育を行う必要があります。即戦力として活躍してもらいたい場合は、スキルや経験を重視する採用方法にしましょう。さらに、幹部として経営者のパートナー的な存在になってほしい場合は、リーダーシップやビジネススキルなどを重視する必要があります。採用したい人材像を明確にすることで、採用準備の内容も適切に進めることができます。
採用人数とシフトの明確化
採用したいスタッフ層を明確にした後は採用人数を決めます。どんなに質が良い応募者が集まっても、人件費で赤字になってしまっては本末転倒です。経営計画に基づき、スタッフ1人当たりの売上などを考慮したうえで、適切な採用計画を立てましょう。
採用方法の種類
- 求人誌に募集記事を掲載するなどの求人媒体を利用する
- ホームページやSNSでスタッフ募集を呼びかける
- 人材紹介会社を利用してスカウトを行う
- 人知人の紹介など
求人媒体は採用したいスタッフ像に合わせて媒体を選ぶと効果が高いものの、掲載費用が必要です。一方で、ホームページやSNSは、自社のサイトやアカウント内であれば無料で掲載できます。ホームページの管理を業者に委託している場合は、作業料に見合った費用を支払う必要がありますが、求人誌に比べると費用が抑えることが可能です。また、知人の紹介は信頼がある点がメリットです。紹介会社を利用すると、経験者など希少な人材に出会うことができる可能性が広がりますが、紹介手数料が比較的高額になります。予算や要件に合わせて採用媒体を選択することが重要です。
職場環境を整える

採用方法を決めたら、新たなスタッフの受け入れ準備として環境整備をスタートしましょう。スタッフが「働きやすい」、「働いていて楽しい」と思えるような環境づくりが必要です。働きやすいとは、店内の清潔さをはじめとして、更衣室やロッカーなどの備品、経営者の態度、時給など多くのポイントがあります。求職者に働く環境が悪いと思われてしまうと、応募してもらいにくくなるだけではなく、就職はしてくれたがすぐに辞めてしまうようなケースがあります。
離職率が高くなってしまうと、採用活動をする機会が増えるため、エステサロン経営の負担になります。働きやすい環境のポイントを意識し、離職率を下げることで、職場にチームワークが生まれ、経営がしやすくなるでしょう。
求人広告のポイント
スタッフ採用のためには、まずサロンの存在と求人していることを知ってもらう必要があります。求人媒体を利用して求人広告を出す場合のポイントを確認してみましょう。
1.媒体選定のポイント
サロンの求人を知ってもらうためには、求職者(サロンが求めている人物像)が利用している媒体を選択する必要があります。エステティシャンの採用と一口にいっても、新卒者、社会人としてのマナーを身につけた第二新卒、未経験からの転職者、上昇志向の経験者など多様な対象者が想定されます。
エステティシャンとしての即戦力を狙うなら美容系の業種に特化した媒体、店長やマネージャーとしての資質を狙うなら広く異業種も含めた媒体やキャリア志向の媒体など、掲載先により対象者の持つスキルも志向も異なります。
求人募集には、紙媒体であるチラシや求人誌だけでなく、インターネット媒体の求人サイトを利用する方法もあります。媒体によっては、利用者の年齢層が異なる場合があるため、事前にリサーチすることが重要です。
2.掲載内容のポイント

求人広告には、「このサロンで働きたい!」と思わせる魅力的な内容を掲載することが重要です。応募者は同時に複数のサロンを比較検討することがあるため、自サロンの魅力をしっかりとアピールすることが必要です。また、採用後のミスマッチを防ぐためにも、求める人物像に合わせた具体的なメッセージを用意するとよいでしょう。
求人広告には、「未経験でも3カ月で施術デビュー可能」「常に新しい技術を学べる環境」「国際ライセンス保有の講師在籍」など、充実した教育研修制度に関する情報や、「一緒に新店舗をつくりませんか」「独立支援制度あり」など、運営や経営に興味のある応募者に向けた情報、「ノルマなし」「ママスタッフ多数在籍」「日祝休み」「有給休暇消化率100%」など、働きやすさや福利厚生面に関する情報など、応募者が興味を持ちそうなサロンの魅力をアピールすることが大切です。
また、勤務時間や休日、給与、仕事内容の羅列でなく「1日の仕事の流れ」「実際に働くスタッフの声」「サロンが大切にしていること」など採用後に働くイメージができるような内容を盛り込むことも重要です。ほかにも求人媒体だけでなく、媒体を見た応募者がサロンのホームページも見にくることを想定し、募集内容と連動した記事や伝えきれなかった部分を掲載するのも良いでしょう。
面接のポイント
1.応募者が話しやすい雰囲気を作る
面接は緊張するものですが、応募者の本来の良さを引き出すためには、緊張を和らげる環境を整えることが大切です。また、面接担当者の印象は、採用の可否にかかわらずエステサロン全体の評判に影響するため、応募者がこのサロンで働きたいと感じるような雰囲気作りにも気を配る必要があります。
2.応募者の職務能力の信憑性を見極める
履歴書に記載されている文字情報だけではわからないことが多くあります。サロンが応募者に期待していることを伝え、具体的にどのような経験を生かすことができるのかヒアリングしましょう。言葉だけでなく、表情や態度など非言語コミュニケーションにも注意を払いましょう。
3.質問を掘り下げ、本音を引き出す
応募者は少なからず面接の準備をしてくるので、用意された転職理由や志望動機、自己PRが本当に本心からのものであるかを確認したいところです。採用後のミスマッチを防ぐため、応募者に興味を持って、より具体的な話を引き出せるよう質問を行います。1次、2次と複数回の面接を行う場合は、現場の管理者、経営者とそれぞれ異なる目線で面接することもできます。1回の面接であれば複数人同席で行うのもよいでしょう。
4.自サロンの強みと将来像を伝える

応募者は他のサロンも検討している可能性があるため、求人広告やホームページで伝えきれなかった自サロンの魅力を面接でしっかり伝えることが大切です。面接は採用者を選別する場だけでなく、採用後に信頼関係を築くための場でもあるため、応募者がこのサロンで働きたいと感じるような環境を作ることが重要です。
5.スキルチェックや適性検査

エステサロンのスキルチェックや適性検査は、応募者の技術や知識、経験、性格や能力、適性を確認するために実施されます。具体的には、施術の実演や面接、テストを行い、経験や取得資格の確認などが含まれます。これらを行うことで、応募者の能力や適性を正確に評価し、採用に役立てることができます。
計画的な採用でサロンにマッチした人材を集めよう
エステサロンのスタッフ採用を成功させるためには、ただ募集をかけるのではなく、事前に準備が必要です。具体的には、サロンが求めるスタッフ像を明確にし、適切な求人媒体を選定すること、面接時には信頼関係を築くことが重要です。これらを意識することで、サロンにマッチした人材を獲得することができます。
