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小顔・リフトアップ需要が急増した理由は?
2022年6月にホットペッパービューティーアカデミーが発表した「美容センサス2022年上期」によると、過去1年間におけるエステサロン[フェイシャル、ボディ/痩身]の利用に関する実態調査のなかで、フェイシャルサロンのメニュー利用ランキングは以下の通りでした。
1位 毛穴ケア
2位 小顔・リフトアップ
3位は 肌のハリ・ツヤ
1位の毛穴ケアに続き、小顔・リフトアップは第2位にランクイン。また、前の年の2021年と比べて1位から3位までのすべての項目の利用率は上がっていて、なかでも小顔・リフトアップについては急激に利用が伸びているという結果でした。
では、なぜ去年のタイミングで小顔やリフトアップのニーズが急増したのでしょうか。
その理由の1つにやはりコロナ禍の影響が挙げられています。コロナ禍によって私たちは長期にわたるマスク生活を余儀なくされています。マスクで顔の半分以上を隠す生活を続け、さらに大声で笑ったりおしゃべりしたりすることも控えるなかで、顔を動かす機会が以前より減っているといわれています。顔を動かさないということは表情筋を使う機会が失われているということ。その結果、顔がたるんだり、むくんでしまったりといった顔の悩みを抱える人が増えてきたというわけです。

小顔・顔痩せエステで主に行われる施術の種類は?
顔のたるみやむくみの解消で注目を集めているのが、小顔や顔痩せなどのフェイスエステ。おもにハンドケアで行われるフェイスエステですが、それぞれに違った特徴があり、謳われている効果も違います。
①リンパケア
体の外側からマッサージ等による圧力を加えることで体内に流れるリンパを刺激し、溜まっていた水分や老廃物の排出を促していく技術です。リンパは皮膚のすぐ下を網目のように流れているため、ぐいぐい押すというよりはリンパの流れに沿って圧をかけていくのが基本です。患者の症状をヒヤリングしながら、リンパの滞りやすい箇所や症状にあわせて適切な施術をおこなっていきます。リンパの流れが良くなることでむくみが改善され、さらには血行が良くなり、肩こりや冷えの解消、疲労回復、免疫力アップ等も期待できます。

②超音波ケア
超音波とは人の耳には聞こえないほど周波数の高い高音のこと。この高音が生じる際の微細な振動を使ったケアが超音波ケアです。超音波美顔器を使うことによって普段のクレンジングでは落とせない、肌の細部や毛穴の奥深くの目に見えない汚れや角質を肌の表面に浮き上がらせ、落とすことができます。毛穴に汚れが溜まっていると、美容成分が浸透しにくかったり、そもそもの肌のターンオーバーを邪魔してしまうことも。定期的な超音波ケアをすることでそれらを解消することができます。また、汚れを落とすだけでなく、普段の生活では使われない細胞や筋肉にまで超音波の振動が働きかけ、細胞を活性化。皮下脂肪の燃焼を助けたり、筋肉を引き締め、むくみやたるみの改善、リフトアップなどの効果を期待することができます。

③フェイシャル経路ケア
フェイシャル経路ケアは東洋医学に基づいたもので、顔にあるツボを骨格や経脈・絡脈の流れに沿って刺激するハンドケアです。老廃物の排出が促されてむくみがとれたり、歪みの矯正や顔のコリをほぐすことでフェイスラインをスッキリさせたりなどの効果が期待できます。
④コルギ(骨気)
韓国で生まれた民間療法です。一般的なマッサージは肌や筋肉に働きかけますが、コルギは骨と筋肉に圧力をかけるのが大きな特徴です。血流を良くし、骨と骨の間に詰まった老廃物の流れを促進させます。むくみやたるみの改善、代謝アップのほか、顔のコリがほぐされたり、歪んだ骨格を正しい場所に戻すことでフェイスラインを整えたりリフトアップの効果も期待できます。ただし、コルギは強めの施術のため、神経系の疾患や怪我、血流を促すことで悪化してしまうような病気を持っている方、また美容整形をしている方などはできないこともあるようです。施術する側はそのような知識も把握し、患者さんのヒヤリングを十分にする必要があります。
「これから利用してみたい」人多数!注目株のコルギ
韓国への憧れを持つ若い人たちを中心に、小顔への近道として最近人気を集めているのが、コルギ(骨気)です。美容大国である韓国発の美容方法であることからメディアでの注目度も高く、場合によっては多少の痛みを伴うものの、即効性が高く、効果を感じやすいとも言われています。日本国内ではニーズに対してコルギを施術できる場所はまだそれほど多くないため、マーケットポテンシャルがあるメニューと考えられます。
選ばれるサロンになるために
小顔やリフトアップなどのサロンへのニーズがあるとはいえ、努力なしに選ばれるサロンになるということはまずありません。サロンの立地や雰囲気、スタッフの接客の質などはもちろんのこと、他のサロンとは違う「選ばれるための」特徴を持つことはとても大きな強みになります。たとえばいくつか例をあげてみます。

①独自の技術や資格がある
高い効果が期待できるオリジナルの技術やノウハウを持つことができれば、他のサロンにマネのできない強みとなります。患者さんからの信頼を得ることができれば患者さんによる口コミが非常に強い広告的な役割も果たしてくれます。また、たとえばスタッフ全員が柔道整復師などの国家資格や整体師などの民間資格を持っていることなども、信頼しうるポイントとなります。
②痛みへの不安を解消
整体やリラクゼーションサロンについては、痛みへの不安を持つ人が少なくありません。特にまだあまり知られていないコルギなどは、「ゴリゴリする施術で痛そう」「痛みに対してきちんとした効果があるのか」など、未知の分野なだけに不安のある人も多いようです。そのため、たとえば「痛みの少ないメニューがある」「痛みへの配慮をした施術ができる」など、お客様の不安を解消してあげられるサロンは、選ばれる店になりやすいといえるでしょう。

③サブメニューのラインナップが豊富
小顔矯正やリフトアップなどフェイシャルに関心が高い人は、その他のさまざまな美容についても高い関心を持っている可能性があります。フェイシャルをメインに扱いながらも、姿勢改善やリンパケアのマッサージなどプラスαのサブメニューを用意しておくと、売上アップにつながりやすくなるでしょう。お客様にとっても、小顔矯正とサブメニューを同時に受けることができれば別のサロンに通う手間が減ったり、費用的にもお得になったりといったメリットがあります。また、サロン側としては小顔ブームが去った後のリスクヘッジになるという側面もあります。
④メンズ向けサロンを展開する
小顔矯正をはじめ、キレイのジャンルに関心があるのは女性ばかりではありません。エステやネイル、ヒゲなどの男性専用のメニューを用意したメンズサロンは、都内を中心に増えています。メンズの小顔矯正に特化したサロンなどもこれから人気が高まってくるかもしれません。

まとめ
コロナ禍で私たちの生活はさまざまに変化し、それによって新しいニーズも生み出されています。美容のジャンルについては、顔のたるみやむくみへのニーズもそのうちの一つですが、サロン側にとっては大きなビジネスチャンスとも言えます。これからサロンを開業しようという方、あるいはすでに開業をして新たなメニューの導入を考えている方などは、検討する価値があるのではないでしょうか。
