POSレジとは

POSレジの「POS」は「point of sales」を省略した言葉で、日本語で直訳すると「販売時点情報管理」。つまりPOSレジとは、金銭のやりとりをした時点で顧客および商品の販売情報を管理することができるレジのことを指しています。どんなものがいつの時点でどのぐらい売れたかという情報は売上を分析する上でとても重要なデータになります。会計の時点でそのような商品情報をデータベースに登録できるシステムがPOSシステムなのです。

POSシステムとPOSレジの違い

「POSシステム」と「POSレジ」は同じ意味合いで使われることもありますが、違いを厳密に表すとすれば、POSシステムは「仕組み」自体を示しているのに対し、POSレジは仕組みを導入した機械のことを示していると言えます。そもそも、世界で最初にレジスターが開発されたのは1878年。日本では1897年に横浜の貿易商によって輸入されたのが初めてだそうです。そこから1980年代にかけて売上や顧客管理、バーコード機能が追加されたPOSレジが開発され、近年にはパソコンやiPad、スマートフォンなどに専用アプリをインストールして利用できるタブレット型POSレジへと進化しています。

POSレジシステムを導入するメリットは?

店舗での売上金額を計算・記録できるのはもちろん、どんな顧客が、いつ、どんなメニューを選んで施術したのかを集計することができるPOSレジシステムは、理容室や美容室、ネイルサロンやエステサロンなどの美容系サロンでも導入するメリットが大いにあります。具体的には以下のメリットが挙げられるでしょう。

①顧客管理がしやすい

美容サロンに限らず、一般的にPOSレジはいつ、だれが、どのメニューを、いくらで売り上げたかということを記録できます。また顧客の性別や年代などの属性も記録できるため、販促のマーケティングに活用できるということが大きなメリットです。

②打ち間違いや不正を防げる

通常の手作業の場合は入力に時間がかかったり金額の打ち間違えがあったり、万が一の不正に気付きにくいというデメリットがあります。その点、POSレジであればあらかじめ設定をしておくことでミスを防ぎやすく、システム化されることで不正防止にも役立ちます。

③タブレット型なら初期費用をそれほどかけずに導入できる

POSレジシステムを導入するには初期費用や月額費用や購入費などがかかります。開業したばかりのサロンなど初期費用をあまりかけたくないという場合には、ipadなどを活用したタブレット型のPOSレジがおすすめです。すでにiPadを持っていれば端末費用はかからず、月額費用を支払うことでサービスを受けることができるため、導入しやすいといえます。もちろん、サービスを提供する会社によって費用は異なるため、あらかじめしっかり確認するようにしましょう。

美容サロンに合ったPOSレジシステムとは

美容サロンがPOSレジシステムを導入するにあたっての判断材料の一つは「機能」です。ただし、必ずしも多機能だから良いというわけではありません。実際に自分のサロンでのオペレーションを想定し、欲しかった機能かどうか、その機能をサロンでどう活用できるのかを具体的に検討していくことが大切です。 たとえば、
・お客さまの施術後の写真を履歴として残したい
・クレジットカードと連携させたい
・予約システムと連動させたい
・来店履歴を一覧でみられるようにしたい
など、要望を箇条書きにしてみると自分のサロンにあったPOSレジ機能が見えてくるでしょう。

サロン向けPOSレジシステムの選び方

①予約管理機能との相性が良い

多くのサロンでは、予約制を取り入れているケースが多いと思います。POSレジシステムのなかには、予約管理機能を備えたタイプもあります。お客さまは24時間、いつでも空いている枠を確認して予約ができるというメリットがあります。サロン側にとっても営業時間外での機会損失を防げるうえ、予約が一元管理されることでブッキングを防止できるというメリットがあります。また、受付業務など人的なコストも削減できます。サロンでPOSレジを導入する際には、予約管理機能と連携できるタイプを検討すると良いでしょう。

②カルテ機能

美容サロンでは、1対1での接客となるためお客さま一人一人の利用履歴などの顧客情報はとても重要です。その点、電子カルテで顧客情報を管理できるPOSレジシステムはとても利便性が高いといえます。たとえば、顧客の氏名や住所などの基本情報はもちろん、来店履歴や美容室であればヘアカットなどのスタイルや選んだメニュー、お客様との会話なども登録することができます。さらに、POSレジによっては撮影した画像を登録できるタイプもあり、施術前後の様子を目に見える形として残すことができるため、サービスの向上につなげることができます。

③持ち運びできるタブレット型

従来型のPOSレジやPCタイプの場合、設置場所が受付周辺など限られていましたが、タブレット型のPOSレジシステムを選べばどこにでも持ち運びができます。たとえば、お客様のいるお席にカルテとして持って行きカウンセリングをしたり、お客様が座った状態のまま会計を済ませることも可能です。

④キャッシュレス決済対応型

コロナ禍もあいまって支払い方法のキャッシュレス化がどんどん進んでいますが、美容業界でも例外ではありません。特に金額の高いメニューの多いエステなどの場合はクレジットカード決済が主流なのではないでしょうか。ここ数年、クレジットカードや電子マネーなどの決済方法と連動しているPOSレジも増えてきました。POSレジ導入にあたってキャッシュレス決済を取り入れるかどうかも、業務効率化やサービス向上という意味で検討しても良いかもしれません。

⑤使い方が簡単

せっかくPOSレジを導入しても、自分やスタッフがなかなか使い方を覚えられないようではストレスになってしまいます。直感的な操作性やタイピングが苦手な人でも使えるタッチタイプなど、実際に使いこなせるかどうかも導入の判断基準になるでしょう。また、機能のアップデートの仕方についても事前に確認しておくと安心です。

まとめ

POSレジを導入するのであれば、サロンのオペレーションを楽にするためのものなのか、販促活動に利用するためのものなのか、サービスアップに繋げるためのものなのか、具体的な目的を定めるとどんなPOSレジが向いているのか選びやすくなるでしょう。もちろん、それらを網羅する多機能なものを選べば良いという判断もありますが、その分コストがかかったり、使わない機能があることで操作が難しくなってしまうというデメリットもあります。自分のサロンの良きパートナーとして、長く利用できるPOSレジをぜひ見つけてみてください。